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大槌町便り ~たかが「稲ワラ」、されど「稲ワラ」~

2012 年 12 月 21 日

横浜ゴムは、岩手県大槌町が進めるがれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」を支援するため、4月30日に第一弾となる「千年の杜」植樹会を開催し、町民の皆様を含めた543名で3,391本を植樹しました。【第1期植樹の詳細はこちら → がれきを活用した森づくりの第一弾

「大槌町便り」では、第1期に植えた苗木の成長や町の復興状況、2013年5月に予定している第2期植樹に向けた活動を継続的にお伝えしています。

 

今回は宮脇方式の植樹では欠かせない稲ワラの確保についてご紹介します。稲ワラは購入するとなると大変。お米を買うようにお店に注文して「いついつに届けて下さいね」では済まない代物なのです。

 

■第1期は社内の在庫を利用(2012年4月第1期の運搬)

自社内(新城工場)で在庫していた約3トンの稲ワラを10トントラックに満載して運搬

積み込むのも大変でしたが、積み下ろしだけでも3時間以上もかかりました(汗)

 

■稲ワラは宮脇方式の植樹では重要な役割を果たすもので外せない必需品

~保湿・保温・肥料の代替・雑草の抑制など役割はいっぱい~

第1期での様子

植樹場所に予めスタンバイするのもおおがかり

植樹後、マウンドにバケツリレーで運び、苗を覆わないように注意深く敷き詰める

 

■その重要な働きをしてくれる稲ワラを第2期に向けてどう確保するか?

2012年6月末頃から稲ワラの確保検討開始。第1期植樹マウンドの造成工事を請け負い植樹会で特別協賛となっていただいた(株)竹中土木の相澤誠所長のお計らいで、JAいわて花巻を経由して遠野市宮守町にある農事組合法人の宮守川上流生産組合をご紹介頂きました。そして、宮守川上流生産組合の多田誠一代表理事組合長から「大槌の復興の協力になるのなら・・・」ということで、稲ワラの無償提供のお申し出を頂きました。そのご好意に甘え、合意書を取り交わすことに。合意書は向こう5年間に渡って供給を約束するもので、大感謝です!

ということで、早速現地へ

JR釜石線沿線にある宮守駅。ここから車で20~30分のところにある田んぼへ

10月3日に結束、翌日にワラ立て完了。11月16日時点で稲ワラは既に結束・立て掛けが終了し乾燥の真っ最中

 

■大量な稲ワラの置き場所は?

3トンを越える稲ワラは半端な量ではありません。田んぼの広さにして1町強(11,000㎡)に相当します。果たしてこの大量の稲ワラをどこに保管するか・・・・雨で濡れたまま放置すると腐ってしまうので露天に置くわけにはいきません。

そこで、大槌町役場地域整備部管理用地課の阿部慈郎主任主査に相談。快く保管場所を提供してくれることになりました。その場所は第2期植樹場所まで約1.6kmのところにある大槌北小学校の立派な体育館。

校舎のみならず、体育館も床が破壊されるなど津波の被害を受けていたが稲ワラを保管するには絶好の環境

ここなら稲ワラは乾燥したまま年を越せます

 

ただこの体育館、壊れたままにはしておけず2~3年の内に取り壊される予定とか。2017年まで植樹用に使える保障はありません。しかし、大槌町役場の阿部慈郎主任主査からは「そうなったら、また別の場所を探しますよ」と、ありがたいお言葉を頂きました。その時はまたよろしくお願いいたします。

 

■さぁ~稲ワラの運搬だ!

週間天気予報を逐次確認しながら運搬日として11月10日を予定。その2日前の11月8日、現地は雨。宮守川上流生産組合から「稲ワラがこの雨で濡れてしまうので、日を改めた方が良い」 との連絡があり、11月24日に延期することに。宮守川上流生産組合の細かな配慮に感謝です。

11月24日は上天気ではなかったものの運搬日和。

走行速度が極めてスローなクローラーで田んぼに立て掛けてある稲ワラを回収。ロールオントレーラーに積み込む

体育館入り口に横付けし積み下ろし作業。時間ばかりが過ぎていく

床の穴を避けながらの運搬は効率は悪いが何とか作業終了!!お疲れさまでした。

 

しかし、今回準備していた4トンと10トンの2台のロールオンだけでは運搬し切れず、やむなく約半量を置き去りしてくることになってしまいました。

 

■1週間後の12月2日、残る稲ワラの回収に

今度は残らず回収することを前提に10トンのウィング車をチャーター。前回と打って変わっての好天気。しかし、2日前にはなんと降雪が・・・

既に稲ワラは前回作業で田んぼ淵に集めてあるのでトラックに載せるだけ

それにしてもまだまだ大量の稲ワラ

体育館に到着

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は舞台前に。延々と続く運搬作業

前回分は左手前に、今回は右奥に収納

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これでようやく第2期植樹に使う稲ワラを確保することが出来ました。今回、稲ワラを運搬して頂いた(株)竹中土木の方々に感謝いたします。