活動レポート

大槌小学校でポット苗つくり体験を行ないました

2014 年 6 月 30 日

6月10日に大槌小学校でポット苗の作り方体験を行いました。

体験して頂いたのは大槌小学校の4年生の皆さん。皆さんは以前(4月18日)、浄化センター内のマウンドで植樹を体験済みですが、今回は「植樹をするための苗作り」に挑戦です。苗床で育てた高さ10cmくらの苗を、1本ずつポットに移します。なお、この幼木は、昨年秋に大槌町内のJR山田線 吉里吉里駅の構内に生えているタブノキの種子を集めて苗床に植え、当社の平塚製造所内で育てていたものです。苗は地面に植えつけることが出来るよう、ポットの中で樹高が30cm以上になるまで育てます。

大槌小学校に着くと、フェンスにこいのぼりが飾ってありました。沖縄の佐敷中学校、玉城中学校、知念中学校、大里中学校からのプレゼントのようです。全部で22体、雨の中でしたが、元気に空を泳いでいました。

 

玄関のボードでお出迎えいただきました。さりげない心遣いがうれしかったです。小学校の先生は字がきれいですね。

 

学校でお昼ご飯を用意していただき、おいしく頂戴しました。食後のデザートは「三陸はまぎくフィナンシェ」を頂きました。福幸きらり商店街の大阪屋菓子店のお菓子です。ハマギクの花言葉は「逆境に立ち向かう」です。

 

 

盛岡大学、岩手大学の7名の学生さんたちに植樹体験をお手伝いいただきました。平塚製造所の植樹担当の林さんからの移植方法の説明がありましたが、皆さん、教育学部の生徒さんのようで真剣に聞いておられました。

 

説明の後は実技指導。実際に一人ずつ移植していただきました。皆さん、とても上手に出来ました。若い人は飲み込みが早くてすばらしいですね。

 

移植の手順を覚えた後は、スタッフジャンパーを着ていただきました。皆さん、とても似合ってますよ。

 

子どもたちが苗を扱いやすいように苗を1本ずつ分けていきます。この作業のお陰で、苗作りがとてもスムーズに進みました。何事も念入りな下準備が大切ですね。

 

 

元気一杯の子どもたちがやって来ました。クラスごとに整列!これから始まる苗作りにわくわくしている感じが伝わってきます。みんな、4月の植樹のことを良く覚えてくれていました。

 

みんなで苗作りの意味、移植の仕方の手ほどきを受けました。とても集中して真剣に話を聞いていました。

 

いよいよ苗作りの始まりです。大学生のお兄さん、お姉さんからポットと苗、土をもらい、ひと苗ずつ丁寧に植えていきました。生きものを扱っているためなのでしょうか。何も言わなくてもみんな順番に並んでおとなしく待っていました。

 

 

「土の量はこのくらいかなあ?苗の位置は大丈夫かなあ?」「出来上がりはこれで良いの?」

みんなとても真剣です。

苗がどんどん出来てきました。もうすぐ完了です。ひとり5個ぐらいずつ作ることが出来ました。出来たポットをトレイにきれいに並べ、それをパレットの上に載せました。水やりの時に水が溜まって根腐れが起きないようにするためです。移植の時だけでなくポットを移動させるのも丁寧に、とても気を使っています。ポットを並べ終えたらジョウロで水をあげて終了です。

 

後片付けもみんなで力を合わせて行ないました。さすが4年生。何をするのかを素早く理解し、手際良く片付けられました。

 

苗作りが終わり、集合写真の撮影です。みんな一仕事を終えた満足感が溢れています。

今日から始まる日々の水遣りや、これから迎える夏の乾燥、冬の寒さ対策など苗を育てる大変さも体験しながら大切に苗を育てててくれることだと思います。今日の体験を通して生きものを大切に育てること、ふるさとを思い、ふるさとを守る森をつくること、大槌町が計画している「鎮魂の森」での植樹につながっていって欲しいと思いました。今日体験したことが、みんなの思い出に残ってくれると良いですね。私たちにとっても、子どもたちの元気とやさしさを感じることができた貴重な体験となりました。

翌11日に訪問した公民館に掲示してあった教育委員会だより「城山の風」に、先日の植樹体験の様子が載っていました。

 

 

 

作業3日目~前日リハーサルと小学生の植樹

2014 年 4 月 30 日

会場設営と植樹の準備

18日(金)、いよいよ準備作業が大詰めとなりました。この日は朝から会場設営準備、マウンドの最後の整備、苗の植樹場所への移動など、程よい緊張の中、着々と準備が進んでいきました。撮影用の台(たち馬)やクレーン車、仮設トイレ、掲示板などが搬入され、受付の位置にテントを設営しイベント会場らしくなってきました。イベント当日の会場内の位置関係や人の流れシミュレーションなどの最終チェックを行いました。また、もしもの際の対応のために高台までの避難経路を全員で歩いて確認しました。

イベントのための準備が整ってきました。風が心配なためテントは一旦設営した後、片付けられました。

 

アドバンカラーのトレーラーカーがステージに変身します。これからお化粧が始まります。

 

前日に準備した苗木に散水し、植樹マウンドへ移動しました。苗木たちにとってはポットの仮の宿から植樹マウンドへのお引越しです。お嫁にやる気分、と話していた植樹担当者もいました。

 

会場設営が一段落したところで桜井CSR・環境推進室長から昼礼の挨拶がありました。

 

夕方には司会を担当する大槌高校の生徒が授業を終えてから入念なリハーサルを行なっていました。進行担当大場さんは、ちょっと強面(?)でしたが、とても面倒見の良いかたで生徒たちに司会の仕方をていねいに指導していらっしゃいました。

 

大槌小学生による植樹が行なわれました

植樹の準備の一方でこの日は大槌小学校4年生による植樹が行なわれました。4年生にとってはじめての校外学習だったそうで、この日をとっても楽しみにしていたそうです。3クラス64人がスクールバス3台で参加してくれました。

 

子どもたちは元気一杯!

 

前ならえが懐かしい!

先生の号令の下、きれいな列が出来上がりました。

 

いよいよ、宮脇先生による植樹指導が始まりました。宮脇先生の周りに集まって話を熱心に聴く子どもたち。人も木も同じ、いろんな人、いろんな木が集まってお互いに刺激しあうことが大切。隣の子と違っていても良いんです、違っていることが大事なんです。先生もいつもより熱が入っていたようです。

 

いよいよ植樹が始まりました。

「これは何の木かなあ?」

ボランティア参加のお兄さん、お姉さんに植え方を聞きながら一生懸命苗を植えていきました。

 

スコップは上からまっすぐ刺して、土を上のほうに置いて・・・苗をひとつずつ優しく植えていきます。

 

苗を植えた後で苗を挟み込むようにわらを一面に敷き詰め、その上からわらが風で飛ばされないように荒縄でマウンド全体を覆っていきます。

 

 

植樹を終えたマウンドをバックに、記念撮影。みんなとってもいい笑顔です。みんなが20歳になる10年後には立派な森になっていることでしょう。

 

 

作業2日目~苗木の準備とマウンド作り

2014 年 4 月 30 日

宮脇方式の植樹の特徴は、ほっこりとしたマウンド作りといろいろな苗の混植・密植にあります(まじぇる、まじぇる、まじぇる)。

17日(木)はそのための2つの作業、マウンド作りと苗の準備を行いました。

 

 苗木の分配

17日に届いた苗を含めて5,000本の苗を、まず種類別に集めます。それを植樹ブロックごとに分けていきます。分ける本数はブロックの面積に応じて種類ごとに決まった本数をトレイに並べていきます。意外と細かい作業です。

 

植樹のときに同じ種類の苗同士をかためて植えないように、1つのトレイの中もいろいろな苗を入れていきます。

 

ほっこりとしたマウンドをつくる

宮脇方式の植樹で一番大事な作業がマウンド作り。いつもはデスクワークばかりの経理部のKさん、法務部のKさんもこの日は剣先スコップで土を耕しました。このマウンドは東日本大震災で発生した瓦礫の上に大槌町の畑の土を盛土して作ったものです。震災を忘れず語り継いでいくためにも、大槌町の住民の皆さんの命を守る森を作るための基礎となります。心をこめて耕しました。

 

ほっこりほっこりしてきたでしょうか。きれいなマウンドがもうすぐ完成です。

 

公民館から見た町の様子

みんなが作業をしている間に公民館へテントを借りに行きました。公民館は町を見下ろす高台にあります。桜がまもなく満開を迎える時期でした。写真の中央やや右下に「ひょっこりひょうたん島」のモデルとなったと言われる蓬莱島が見えます。左下の盛土の間に山田線の橋脚が見えます。

 

「ひょっこりひょうたん島」こと、蓬莱島。赤い灯台は震災後に再建されました。写真の上部の黒いものはカメラレンズの前をたまたま通り過ぎたカラス。

 

公民館にある「ひょっこりひょうたん島」の主人公たち。人形はひょうたんで出来ているそうです。よく出来ています。子どもの頃に見た画像が目に浮かんできました。

 

町のあちこちに出来てきた盛土。町全体が頂上部の高さまでかさ上げされると思っていましたが、現在作られているのは沈降度を見るための試験の盛土だそうです。この盛土で得られたデータを基に、実際のかさ上げ工事の際の盛土の高さを決めるそうです。最終的には山田線から山寄りの土地を平均2.2メートルかさ上げするそうです。

 

 

作業1日目~いよいよ準備開始です

2014 年 4 月 30 日

第3期植樹会が無事終わりました

4月19日、最高気温7℃の天候の下、第3期植樹会が無事終わりました。

よく晴れて、風が前日までほど強くなかったのが救いでしたが、大槌町の3月中旬の気温だそうです。制服姿で司会をして頂いた大槌高校のお二人がとても寒そうで、お気の毒でした。毎年参加していただいているお揃いのピンクウインドブレーカーを着た婦人会が今年も目立っていました。Oさん作による園児向けちらしを持って、大槌保育園の子どもたちが16人参加してくれました。今年の新しい取り組みのキッズアトラクションのゲームを楽しんでいただきました。

植樹会に先立つこと4日、ボランティア・スタッフと日本ゼオンのボランティアの皆さんは4月15日から現地入りし、植樹会の準備を行なってきました。その様子を紹介します。

 

いよいよ、準備開始です

4月16日(水)、朝8:00に新城、平塚、茨城の各工場からの苗木や荷物を積んだトラックが到着しました。3回目ともなると手馴れたもの。苗木、植樹マウンド整備のためのスコップなどの道具、移植ごて、竹杭、わら縄など植樹に必要な用品類、植樹イベントに使用するテント、椅子やテーブルなどの荷物が整然と積み込まれています。

 

苗木は“赤ちゃんを扱う様に”やさしく一本一本トレイに移し変えていきます。東北地方で採取した種子を横浜ゴムの国内全工場で大事に育てた苗木です。

 

わらの運び出し

荷物を受け取った後、旧金沢保育園で保管していた10トントラック約2.5台分のわらを運び出しました。このわらは昨年11月に宮守川上流生産組合から頂いたものです。わらは植樹した後に苗木の周りに敷きつめ、苗の周りの土が乾燥するのを防ぎ、雑草が生えるのを抑えるとともに最終的には苗木の肥料となります。宮脇方式の植樹でわら敷きは欠くことのできない作業です。

 

保育園からのわらの運び出しは完全人力!作業初日からスーパーハードな肉体労働となりました。翌日は全身筋肉痛と指先の感覚がおかしい。パソコンのキーの押し間違いがいつもよりもずっと多くなりました。

 

竹中土木様にお借りした6.5トンダンプ。荷降ろしがとても楽に行えたので、予定よりも早くわらの搬出を終えることが出来ました。現地での作業はなにかにつけ、竹中土木様に大変お世話になりました。竹中土木の皆様、大変ありがとうございました。

 

この日はわらの運搬で一日の作業が終了。一番大変な作業でしたが、作業を無事に終えることが出来てほっとしました。

 

 

大槌町便り ~2014年最初の打合せと植樹マウンドの観察~

2014 年 2 月 5 日

2014年1月20~21日、第三期植樹会に向けた関係者との打合せを行いました。大槌町役場では、環境整備課や生涯学習課、総合政策課などを訪問し、より多くの皆さんに参加していただくための広報や計画、植樹会までの準備について打合せをしました。大槌高校には毎年吹奏楽の演奏と司会をお願いしていますが、今年も引き受けていただけることとなりました。

 

町では盛土が各所で始まり、復興に向けて着実に進んでいることが感じられました。

着実に復興が進む大槌町

 

また、2013年5月の第二期植樹会で植えた苗木の成長を確認しました。枯れた木はほとんど見当たらず、今後もすくすく育っていくことを願っています。植樹マウンドのすぐ横を流れている小鎚川には白鳥やキンクロハジロなどの野鳥がたくさん飛来していました。

順調に成長している苗木

 

 

 

大槌町便り ~第三期の植樹に向けて藁の収集を開始~

2014 年 2 月 5 日

2013年11月20~21日、来年4月に行う第三期の植樹に使用する藁を農家さまから譲り受け、町の協力を得て旧幼稚園に保管しました。幸い天候もよく、外部協力もあり、総勢26名でウイングタイプの10トントラック一杯に積み込んで運びました。第3期の植樹まで保管しておきます。

トラック一杯に積んだ藁

 

作業に参加してくださった方々

 

 

大槌町便り ~地元のミニFM放送に生出演~

2013 年 1 月 22 日

横浜ゴムは、岩手県大槌町が進めるがれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」を支援するため、4月30日に第一弾となる「千年の杜」植樹会を開催し、町民の皆様を含めた543名で3,391本を植樹しました。【第1期植樹の詳細はこちら → がれきを活用した森づくりの第一弾

「大槌町便り」では、第1期に植えた苗木の成長や町の復興状況、2013年5月に予定している第2期植樹に向けた活動を継続的にお伝えしています。

 

今回は昨年11月23日、大槌町のミニFM局“おおつちさいがいエフエム”の朝の番組への生出演やその経緯などについてお伝えします。

 

“おおつちさいがいエフエム”への生出演

放送時間は9時35分頃から約20分間。「YOKOHAMA千年の杜」コンサルタントの篠田茂と私(CSR本部CSR・環境推進室アドバイザー金澤厚)が大槌町浄化センター内で行った第1期植樹や宮脇方式の植樹の有効性、第2期植樹に向けた取り組み、この先の展望などいろいろな話をさせて頂きました。この模様は動画でも見れますので、興味をお持ちの方はこちらからご覧ください。

インタビューを受ける篠田(手前右)と金澤(奥)

 

なぜ出演する事になったのか?

11月15日、仮設住宅で育苗講習会を開催するために篠田と2人で大槌町を訪問しました。その際、釜石駅前のホテルに宿泊したのですが、このホテルにはレストランがないので夕食を食べに出かけました。この日はホテルから少し離れたところにある復興屋台村「釜石はまゆり飲食店街」を見つけ、その中の居酒屋さんで地元料理に舌鼓を打っていました。

すると、隣のカウンターに座っていた方が

「どちらから来られたのですか?」

私が

「隣の大槌町で4月にマウンドを作って植樹して、そのメンテナンスや来年5月にマウンドを延長するための準備などで毎月のように来てるんですよ」

と答えたところ話が大変盛り上がり、さらにその話を聞いていた店の大将がカウンター越しに突然、

「“おおつちさいがいエフエム”の人を知っているから紹介するよ。今度はいつ来るのか教えて」

というわけで、大将が“おおつちさいがいエフエム”のパーソナリティー清水章代さんに早速電話してくれました。

こんなひょんなことからラジオに生出演することになったのです。

パーソナリティーの清水さんは神戸出身。演劇関係の仕事をされていて、昨年3月から住民票を大槌町に移して活動しているそうです。震災後、清水さんがボランティアでこちらに訪れた時の宿泊施設の賄い料理を作っていたのが、津波でお店を流された居酒屋さんの大将だったそうです

 

“おおつちさいがいエフエム”について

“おおつちさいがいエフエム”は大槌町の震災で失われた有線放送に代わって昨年3月末から放送を始めた出力10WのミニFM局(周波数77.6MHz)で、植樹マウンドのある浄化センター横のショッピングセンター「シーサイドタウンマスト」の2階から町のインフォメーション、昔話、音楽番組などを放送しています。また、遠方に避難した町民のためにインターネット上(USTREAMサイマルラジオ)でも公開しています。

本当に小さな放送局でこれで全部です

町の平地全域では受信できますが、一歩町を出ると全く聴けません。釜石から来て町の手前のトンネルを抜けると突然聴こえてきます。音楽は60~80年代の洋楽と演歌が中心。「町の人は音楽が好きなんです」と言っていましたが、私もこれなら好きです。

局内に飾られていた大槌町のマスコット ”おおちゃん(左)”と”こづちちゃん”。この人形は仮設住宅の方々が軍手を使って作っていて、一つひとつに仮設の番号と名前が入っています

 

放送後の反応は?

何人かの方から、

「4月30日の植樹に参加しました」

「学校の行事としてやってみたらどうか」

などの声が寄せられたそうです。

 

大槌町便り ~たかが「稲ワラ」、されど「稲ワラ」~

2012 年 12 月 21 日

横浜ゴムは、岩手県大槌町が進めるがれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」を支援するため、4月30日に第一弾となる「千年の杜」植樹会を開催し、町民の皆様を含めた543名で3,391本を植樹しました。【第1期植樹の詳細はこちら → がれきを活用した森づくりの第一弾

「大槌町便り」では、第1期に植えた苗木の成長や町の復興状況、2013年5月に予定している第2期植樹に向けた活動を継続的にお伝えしています。

 

今回は宮脇方式の植樹では欠かせない稲ワラの確保についてご紹介します。稲ワラは購入するとなると大変。お米を買うようにお店に注文して「いついつに届けて下さいね」では済まない代物なのです。

 

■第1期は社内の在庫を利用(2012年4月第1期の運搬)

自社内(新城工場)で在庫していた約3トンの稲ワラを10トントラックに満載して運搬

積み込むのも大変でしたが、積み下ろしだけでも3時間以上もかかりました(汗)

 

■稲ワラは宮脇方式の植樹では重要な役割を果たすもので外せない必需品

~保湿・保温・肥料の代替・雑草の抑制など役割はいっぱい~

第1期での様子

植樹場所に予めスタンバイするのもおおがかり

植樹後、マウンドにバケツリレーで運び、苗を覆わないように注意深く敷き詰める

 

■その重要な働きをしてくれる稲ワラを第2期に向けてどう確保するか?

2012年6月末頃から稲ワラの確保検討開始。第1期植樹マウンドの造成工事を請け負い植樹会で特別協賛となっていただいた(株)竹中土木の相澤誠所長のお計らいで、JAいわて花巻を経由して遠野市宮守町にある農事組合法人の宮守川上流生産組合をご紹介頂きました。そして、宮守川上流生産組合の多田誠一代表理事組合長から「大槌の復興の協力になるのなら・・・」ということで、稲ワラの無償提供のお申し出を頂きました。そのご好意に甘え、合意書を取り交わすことに。合意書は向こう5年間に渡って供給を約束するもので、大感謝です!

ということで、早速現地へ

JR釜石線沿線にある宮守駅。ここから車で20~30分のところにある田んぼへ

10月3日に結束、翌日にワラ立て完了。11月16日時点で稲ワラは既に結束・立て掛けが終了し乾燥の真っ最中

 

■大量な稲ワラの置き場所は?

3トンを越える稲ワラは半端な量ではありません。田んぼの広さにして1町強(11,000㎡)に相当します。果たしてこの大量の稲ワラをどこに保管するか・・・・雨で濡れたまま放置すると腐ってしまうので露天に置くわけにはいきません。

そこで、大槌町役場地域整備部管理用地課の阿部慈郎主任主査に相談。快く保管場所を提供してくれることになりました。その場所は第2期植樹場所まで約1.6kmのところにある大槌北小学校の立派な体育館。

校舎のみならず、体育館も床が破壊されるなど津波の被害を受けていたが稲ワラを保管するには絶好の環境

ここなら稲ワラは乾燥したまま年を越せます

 

ただこの体育館、壊れたままにはしておけず2~3年の内に取り壊される予定とか。2017年まで植樹用に使える保障はありません。しかし、大槌町役場の阿部慈郎主任主査からは「そうなったら、また別の場所を探しますよ」と、ありがたいお言葉を頂きました。その時はまたよろしくお願いいたします。

 

■さぁ~稲ワラの運搬だ!

週間天気予報を逐次確認しながら運搬日として11月10日を予定。その2日前の11月8日、現地は雨。宮守川上流生産組合から「稲ワラがこの雨で濡れてしまうので、日を改めた方が良い」 との連絡があり、11月24日に延期することに。宮守川上流生産組合の細かな配慮に感謝です。

11月24日は上天気ではなかったものの運搬日和。

走行速度が極めてスローなクローラーで田んぼに立て掛けてある稲ワラを回収。ロールオントレーラーに積み込む

体育館入り口に横付けし積み下ろし作業。時間ばかりが過ぎていく

床の穴を避けながらの運搬は効率は悪いが何とか作業終了!!お疲れさまでした。

 

しかし、今回準備していた4トンと10トンの2台のロールオンだけでは運搬し切れず、やむなく約半量を置き去りしてくることになってしまいました。

 

■1週間後の12月2日、残る稲ワラの回収に

今度は残らず回収することを前提に10トンのウィング車をチャーター。前回と打って変わっての好天気。しかし、2日前にはなんと降雪が・・・

既に稲ワラは前回作業で田んぼ淵に集めてあるのでトラックに載せるだけ

それにしてもまだまだ大量の稲ワラ

体育館に到着

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は舞台前に。延々と続く運搬作業

前回分は左手前に、今回は右奥に収納

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これでようやく第2期植樹に使う稲ワラを確保することが出来ました。今回、稲ワラを運搬して頂いた(株)竹中土木の方々に感謝いたします。

 

大槌町便り ~仮設住宅での育苗講習会~

2012 年 12 月 21 日

横浜ゴムは、岩手県大槌町が進めるがれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」を支援するため、4月30日に第一弾となる「千年の杜」植樹会を開催し、町民の皆様を含めた543名で3,391本を植樹しました。【第1期植樹の詳細はこちら → がれきを活用した森づくりの第一弾

「大槌町便り」では、第1期に植えた苗木の成長や町の復興状況、2013年5月に予定している第2期植樹に向けた活動を継続的にお伝えしています。

 

今回は大槌町役場生涯学習課の佐々木健課長にお願いして、仮設住宅の皆さんと行った育苗講習会の模様をご紹介します。

たくさんの人に来て頂けるよう、仮設住宅に案内を掲示

 

■種子(どんぐりなど)からの苗作り方法:トロ箱にばら撒き法

①採取した種はバケツの水中に30時間   つける。基本的に沈んだ種を使う。

②トロ箱に腐葉土を混ぜた土を高さ8割位まで入れ、その上に種をばら撒く。

 

 

 

 

 

 

 

③種を満遍なくばら撒いた後、土を種が隠れる程度にうっすら被せる。(厚く土を被せない)

④その上に細かくちぎったワラを土が見えなくなる程度に被せる。(水遣りはワラが乾いたらやる)

 

 

 

 

 

 

 

 

翌年春、芽が出て二葉に伸びたらポットに植え替え。

 

■第1回育苗講習会

・日時:2012年11月15日 13:30~14:30

・場所:第7仮設住宅集会所前

・参加者:14名(男性2名、女性12名)

「立ってると疲れちゃうわ。座っても良い?」

「はい。はい。座ってください!」

 

 

 

 

 

 

 

採ってきたどんぐりを水の中で30時間浸します。虫食いは浮かびます。バケツは近くのショッピングセンター・マストで買いました。

どんぐりをトロ箱に蒔きます。トロ箱はいつもマストでお土産に買う三陸わかめ(肉厚でとても美味しいとわが家でも好評)を売っている店の方が親切にわけてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

上から土を被せます。やさしく、ほっこらと。

その上にワラを小さく切って覆います。おっと!ワラを忘れたので近くの枯れ草を代用です。準備不足を反省。皆さん申し訳ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■第2回育苗講習会

・日時:2012年11月15日 15:00~16:00

・場所:第17仮設住宅集会所前

・参加者:12名(男性3名、女性9名)

15時を過ぎると急に寒くなってきました。

「私にもやらせて!」とおばあちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

「次は私だよ!」「順番だよ」 「あらやだ」 寒い中和気あいあいでした。参加くださった皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■第3回育苗講習会

・日時:2012年11月22日 15:30~16:30

・場所:第12仮設住宅集会所前

・参加者:10名(男性2名、女性8名)

寒い中、皆さん熱心に聴いてくれました。

「私にもやらせてよ!」皆さん熱心です。

 

 

 

 

 

 

 

はさみを持参された方も。今回はワラも準備してうまくできました。

地域支援員さんから頂いた漬物がとても美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大槌町便り ~第1期に植樹した樹木の成長調査~

2012 年 12 月 21 日

横浜ゴムは、岩手県大槌町が進めるがれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」を支援するため、4月30日に第一弾となる「千年の杜」植樹会を開催し、町民の皆様を含めた543名で3,391本を植樹しました。【第1期植樹の詳細はこちら → がれきを活用した森づくりの第一弾

「大槌町便り」では、第1期に植えた苗木の成長や町の復興状況、2013年5月に予定している第2期植樹に向けた活動を継続的にお伝えしています。

 

今回は10月15日から16日に国際生態学センターの林寿則博士の指導のもとに実施した樹木の成長調査についてご紹介します。

 

■調査方法

植樹マウンドの2ヶ所に6×6mの定置観察区(南西斜面、北東斜面)を設定しました(左)。右は区画の隅に杭を打ち、ロープを張って調査区画が今後もわかるようにしています。

各区内の木に1本ずつプラスチック製のタグをつけ、樹種を確認します。 302本の木にタグをつけるのは意外と大変でした。

調査は第1期に植樹した16種の内、高木種と中木種の合計12種とマウンドの縁に植えた低木のマルバシャリンバイ1種を対象としました。今回の調査では、調査区画内の樹種の構成比率(%)と植樹マウンド全体の構成比率(%)が概ね同等となり、この調査区画がマウンド全体の傾向を表していることを確認しました。また、調査区画内の植樹密度は約4.2本/㎡となっています。

 

選んだ木の高さ(樹高)と根元の直径を1本ずつ計っていきます。

 

■調査結果

苗の初期活着状況及び生育状態は概ね良好でした。なお、一部個体で枯死または葉の茶変・黄変、虫食いが観察されましたが、枯死木は1割以下と見積もられ、森林の再生過程を妨げるものではないと判断しました。マウンドを設置した浄化センターのガードマンの方や竹中土木さんの草取り、水やりのおかげで雑草も少なく、維持管理がとてもよくされていました。

 

調査樹木:302本

平均樹高:68.0cm、Max 129.0cm(ヤマザクラ)、Min 20cm(ヤブツバキ)

平均根元径: 11.3mm、Max 24.1mm(ヤマザクラ)、Min 5.5mm(ヤブツバキ)

 

■今後について

来年以降も春と秋の2回調査をしていきます。